マンション分譲事業などの「フロー型」ビジネスは、物件を保持している期間が短いため、維持費等が少なくて済み、短期間で資金を回収することが出来るというメリットがあります。
保有期間がさらに短い転売目的の不動産投資(購入)などは、俗に「水モノ」とも言われる不動産の価格下落リスクを、いくらか軽減することが出来るとも言われています。
しかし、これら「フロー型」ビジネスの最大の問題は、新しい不動産を取得もしくは建て続けなければならない、いわゆる「自転車操業型」ビジネスである、という点です。
では、フロー型不動産ビジネスの仕組みとは、一体どのようなものなのでしょうか?
現金(キャッシュ)が常にない会社
これら事業を行っている会社の決算書を見ればお分かりかと思いますが、キャッシュフローの「営業キャッシュフロー」の項目が、これらの企業は常にマイナスである、という特徴があります。
営業キャッシュフローとは、企業の「営業取引上のお金の流れ」を表すもので、一般的には税引き前利益から現金(キャッシュ)の流出入を伴わない金額などを調整したものになります。
これがマイナスということは、企業は常に「現金(キャッシュ)がない」状態であるということになります。一体、これはどうしてなのでしょうか?
「借金ありき」のビジネスモデル
一般的な(分譲や流動化を行っている)不動産会社のビジネスモデルは、
銀行やファンドからお金を借りる→不動産を取得または建てる→売却する
→売却益で借入金を返済する→また借りる
という流れの繰り返しです。まずはじめに「借金」ありきなため、常に営業キャッシュフローのマイナス状態が続くというわけです。
よって、出資者が集まらなくなったり、物件を高く売却出来なくなったりすると、急激に資金繰りが悪化してしまうのです。
損益計算書上の当期利益がプラス続きの会社であっても、ある日突然経営破綻(黒字倒産)したりするのは、実はこういったカラクリがあるからなのです。
フロー型ビジネスの破綻とこれからの不動産業界
ここのところ、デベロッパーの経営破綻が相次いでいますが、その背景には、
・景気の悪化による不動産需要の減少や銀行・ファンドの貸し渋り
・改正建築基準法などの影響による住宅着工件数の減少
・プチバブル状態になっていた不動産価格の高騰
などの原因が、上記の様なビジネスモデルの回転を歪なものにしてしまった(止めてしまった)ためだと思われます。
そもそも、以前にも書いたように日本の「ストック物件」は、もう何年も人口増加率とは比べ物にならないスピードで増え続けていましたので、いずれはこういった事態になっていたのかもしれません。
これからの不動産業界は、もう既に建ててしまった物件(ストック物件)達を、どのようにして活かしていくか?が重要なカギになるのだと、私は思います。
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