最近耳にすることが多い「ストック物件」という言葉。これが今後の不動産賃貸ビジネスにおける重要キーワードになると私は考えています。
「ストック物件」とは?
「ストック物件」とは、広義の意味で市場に出ている中古物件全般のことを指します。
こういった中古物件は年間30万戸程度が流通しており、そのストック量は首都圏だけでも1200万戸以上あるといわれています。
なぜ「ストック化」するのか?
「ストック物件」が増加する背景には、「供給過剰」が続く住宅流通市場の現状が大きく影響しています。
一昔前までは、人口増加(世帯数増加)のスピードに住宅供給が追いつかず、建てても建てても住宅が足りない状態でした。
しかし、人口が減少傾向にある現在では、市場全体が縮小しつつあるのに新築マンションの建設ラッシュが起こっているという、歪な市場構造になっています。
「新築」重視のニーズ傾向
このような新築マンションの建設ラッシュが起こる要因の一つとして、過剰に「新築」を重視する消費者マインドが挙げられます。
これは単なる”新しいモノ好き”というだけでなく、難解な住宅ローンのシステムやノウハウ不足といった『中古物件を買ってリフォームする』ことに対するハードルの高さもあるのだと思います。
既存物件の価値を正確に判断できず、それをバリューアップする(資産価値を上げる)術もない状態では「それなら分かりやすい新築で。」となるのも仕方のないことなのかもしれません。
「フロー」から「ストック」へ
不動産業界において「ストック物件」という言葉は『老朽化した(陳腐化した)、収益性の低い物件。』というネガティブな意味合いでも使われていました。
しかし、本来「ストック」とは蓄積された資本(財産)を指し、そこから安定的に収益を得ることが出来る『ストック型収益モデル』は、“止まったら無収益”になってしまう『フロー型収益モデル』よりも優れたビジネスモデルといえます。
また、政府の住宅政策も「200年住宅ビジョン」に代表されるように、スクラップアンドビルドで新築住宅をどんどんと建てていくのではなく、1戸の住宅を長く使い続ける「ストック型」へと方針を転換しつつあります。
今後、社会全体でこういった傾向はますます強くなっていくと思われます。
現に、欧米諸国では住宅流通市場の7〜9割は中古住宅が占めており、日本も似たような状況に近づく可能性が高いと見られます。(※日本は3割以下)
いままで不当に価値を低く見られがちであった『ストック物件』。
この重要な「資本(資産)」をどう有効的に活用していくか?が、今後の不動産賃貸ビジネスのカギとなることは間違いないでしょう。
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